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文筆家もしくは、がちまやバカライター。座右の銘「愛と誠と肝心(ちむぐくる)」を小脇に抱え、人生街道をフルスロットルで驀進中。
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2010年07月22日

ホームパーティ

慰霊祭後は、観光ツアーに出かける人や、
自分たちがかつて住んでいた場所を訪れる人、
深夜入りで疲れた体をホテルでゆっくり休める人、など、
みんな思い思いに過ごしました。

私は、理事チヨ子さんと、事務局長と、
サイパン在住の友人しまぶくーのクルマに乗せてもらって、
アロハシャツを作りに出かけた。
帰還者会の理事には、おそろいのユニフォームがある。
似たような生地を選んで、仕立ててもらうことになってたの。
仕立てるといっても、セミオーダーみたいな感じ。
しまぶくーちゃんの協力で、無事に注文を済ませてホテルへ戻り、
夜はチャモロのCさんちでのホームパーティに参加した。

ホームパーティ
夕方になると、気持ちいい風がふく島。

ホームパーティ

去年亡くなったOさんが、毎年会うのを楽しみにしていたKさん。
Oさんの親友の息子さんで、Oさんを「パパさん」と呼んで、
お父さんが亡くなった後もずっとおつきあいをしていた。

去年渡そうと思っていた沖縄スタイルの記事を見せたら、
奥さんともども、目がうるうる。
一言で場を和ませてしまうムードメーカーのOさんがいなくなって、
帰還者会の理事会の雰囲気が変わったこと、
Oさんがいなくなって、本当に寂しくなったことを話した。
やんちゃ坊主みたいななOさんの笑顔が浮かんで、ちょっとしんみり。
でも、不思議とあたたかい気持ちだった。

ホームパーティ

心づくしの手料理が並ぶテーブル。

ホームパーティ

「たくさん食べて」とKさんや、Kさんのごきょうだいたち。
庭には、パパイヤやパンの木があって、ニワトリが何羽もいて。

「チキンのスープがおいしいから、トライしてごらん」

奥さんに言われて、だーだー食べてみよう、と鍋をのぞいてびっくり。
ちょん切ったアタマがそのまま入ってた(笑)。

「これ、アタマ?」

Kさんのお兄さんが、「そうだよ、ここが一番おいしいよ」とトサカを示す。

ふむふむ。じゃ、食べてみよう。

ホームパーティ


これがですね、なんというか、プルプルしていて、
コラーゲンたっぷりな味。
やわらかくて実に美味でした。

「おいしーい♪」

ココナッツミルク仕立てのスープに、ぴったり合うんだな。
今日のために、わざわざ鶏をつぶしてくれたんだよね。

パンの実も、干し牛肉と一緒に調理したものと、
ココナッツミルクと煮たものの二種類があって、両方美味しかった♪
パンの実大好き♪

ホームパーティ

奥さんのシスターお手製の、タマリス・ギス。
わ~♪ ひっさしぶりだな~♪ うん、ビールに合う♪
しかもこれ、上等。おいしかった。

「これ、エスコよりおいしいよ~!」

と言ったら、奥さんもシスターも爆笑。

慰霊祭にはエスコのおばあも来てて、ちょろっと私もお話ししましたけど(笑)。

「ありがとう。そうよ、エスコより美味しいでしょ。
実は、エスコさんちは、すぐそこなのよ~。
でも今日の風向きはこっちだから、声はむこうには聞こえないわ(笑)」

陽気な会話は続くのだった。



そして、パーティのしめくくり、Kさんがスピーチをした。

「タイラさん、ヤマグチさん、皆さんはいつでもウエルカムです。
サイパンに来る時には必ず連絡をください」

帰り際、
「チズ、がんばっていいものを書いて。またサイパンに来てね」
と、Cさん。ありがとう。また来るよ。
大きなCさんとハグしながら、Oさんが結んでくれたご縁に、
ほっこりとあたたかなものを感じた。

これからも、いつまでも交流がつづきますように。



<余談>
パーティ後、あるチャモロ青年としゃべる機会があった。
それが、魂の弟げんちゃんにくりそつ!
あんた、チャモロじゃなくて、本当は山原出身でしょ?と思ったほど。
それにしても、なんだか妙にクネクネしてて、声のトーンが高い。
「あなた、オキナワから来たの~?」

「うん。生まれは広島だからオキナワンではないけど、オキナワに住んでる」
「あら、そう。私の前のボーイフレンドはヤマシロっていうのよ」

…。


「ああ、ヤマシロっていうと、オキナワの名前だね」
「そうなのよ~。まあ色々あって今は一緒じゃないんだけど~」

…。

「しばらくサイパンにいるの?」
「ううん、明日からテニアン」
「あらそう。テニアンではどこに泊まるの?」
「1日はダイナスティは、2日目からはフレミング」
「ええええ?マジー?フレミングなんか泊まるところじゃないわよ!」
「えー?なんでー?」
「私一回泊まったことがあるんだけど、もうひどかったんだから!」
「な、なにが?」
「コックローチに気をつけなさい。ベッドからコックローチのニオイがしたのよ。たくさんいたわ!」
「ままままって、何のニオイ?」
「コックローチよ!知らないの?」
「コ、コックローチ。。。」
「ベッドにたくさん…」
「ままままって、それって、ベベベベッドの中?」
「まさか!ベッドの下にいたのよ!」
「コックローチってニオイするの?味わったことない」
「食べなくていいわよっ」
「そうだけどさー」

この青年のしゃべりは、コトバこそ英語ではあるものの、
酔っ払ったら出現する「げん子」そのものだった。
ああ、「げん子」を知っている人に見せたかった!

…なにもサイパンまできてねぇ。

【注意!!】
フレミングの名誉のために付け加えておきますが、
わしはフレミングでコックローチは見ませんでしたし、
部屋にも生きたコックローチはもちろん、死骸もありませんでした。
それに、コックローチ臭もありませんでした。
それどころか、フレミングは長居しても居心地のいい、妙に落ち着く宿でしたよ。


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Posted by いのうえちず。 at 13:35│Comments(0)記憶の中のリトルオキナワ
 
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