プロフィール
いのうえちず。
いのうえちず。
文筆家もしくは、がちまやバカライター。座右の銘「愛と誠と肝心(ちむぐくる)」を小脇に抱え、人生街道をフルスロットルで驀進中。
いのうえちずへメール
QRコード
QRCODE
タグクラウド

2011年01月18日

幼児語と家庭限定表現

娘たちが小さかった頃、なるべく幼児語で話しかけないようにしていた。
クルマをブーブーと言ったり、ごはんをマンマと言ったりしない。
クルマはクルマだし、食事は食事だ。

とはいえ、指示を出したり、叱ったりする時は
1)現場で
2)簡潔な表現で
3)人格を否定せず、行為を否定する
ことを徹底してきた。

ついでに、なるべく心がけてきたのは、軸がブレないようにするということだ。
昨日と今日で、ママの言うことが違う。
さっきはAという条件をつけたが、すぐに撤回し、Bとする。
これではコドモは混乱する。
多分、コドモだけじゃなくて、オトナも不快だもんね。

コドモは、生きてきた時間が短いので若い、幼い、経験が足りない。
でもそれだけだ。
半人前だからといって、オトナの都合でいい加減な扱いをしていると、
オトナを信用しなくなる。
too youngあるいはyoungな一人の人間なのだから、尊重すべきは尊重する。プライドは守ってやる。
ずっと、「私のこども」(こどもをペットや私物と勘違いしている人もいるが)というよりは、
「私より若い・小さいひと」として接してきた。その表れだったのかもしらん。

その結果、長女は3歳でも、あまり好きでない食べ物を
「口に合わない」と言うようになった。

でも、こどもらしい、かわいい表現をする時も、もちろんある。
「ちががでた」(血が出た)などはその典型。
期間限定のそれらの表現は、それとして愛しかった。
いちいち訂正せず、そのままにしておいた。
どうせ、いずれ卒業してしまう、こどもらしい表現。

ひと回り下のイトコが、言語を獲得していく過程で
「ネコがいる・ないねー」
と否定形を獲得した時の面白さが原点にあったかも。
当時、私は多分中1だったな。
「へえ!人間はこんなふうに言葉を覚えるんじゃ!」と新鮮だったから。

いつ気づくかなーと楽しみに待っていた言葉を、ついに中1の次女が卒業した。

「きもち・いい」を、なぜか「きもちい」と理解し、
過去形で「きもち・よかった」を「きもちかった」と言っていた次女。

娘たちが通っていた保育園では、2つちがいのきょうだいが多く、
上の子と下の子が同じクラス、という組み合わせが何組もいた。
たしか、長女のクラスで、誰かが「きもちかった」と言いはじめ、
それがそのまま長女にも定着し、次女にも伝染したんだと思う。

長女はいつの間にか「きもち・よかった」だと気づき、
現在形を「きもちい」から「きもち・いい」に切り替えていた。ちっ。つまらん。
ある日、首里から那覇に下りる道で、突然次女が言い始めた。

次女「最近気づいたんだけどさー、本当は【きもちい】じゃなくて【きもち・いい】なんでしょ?!
   ずっと【きもちい】だと思って、【きもちかった】って言ってたけど、【きもち・よかった】だよね!?」
わし「ちっ。とうとう気づいたか。面白くない」
次女「なんでよー、なんで教えてくれなかったのー」
わし「どうせいつかは気づくから、いつ気づくかなーと思って、楽しみにしてたんだよ」
次女「何それー、ママいみふ(意味不明の略)」
わし「ちががでる、は、いつ気づいた?」
次女「それは小学校の時」
わし「あんたたちは4人とも(娘2人に姪2人)、【血が・が・出た】って、
   血のことを【血が】って思ってたんだよ。あれはかわいかったな~♪
   姪2号なんか、勝手にバージョンアップして、【蚊・に・刺された】を【蚊に・に・刺さった】って言うし」
次女「蟹が刺さったら、痛そう!(笑)」

そういえば、幼い頃の言いまつがいが、そのまま我が家だけで通じる、
家庭限定的表現、家庭方言化したものもあるなー。

「せんたくのばこ」
洗濯物を入れる箱のこと。

「ぷうちゃん」
次女の呼び名は、次女が生まれた時に長女がうまく発音できなかったのがそのまま定着した。
でも、今はそう呼ぶのはママおよびママの関係者だけなんだってさ。

あ、妹の昔の彼氏の言い方が定着したものもあったぞ!
「チャンネル機」
テレビのリモコン限定。

定着しなかった期間限定表現や、親子間での流行語的なものもずいぶんあった。
多分、これからもいろんな限定表現が出てくるんだろうな。

早速、次女が中学校で習ってきた、
「【あがー】の上級表現は【あがひゃー】である」という概念によるおふざけが、
我が家に定着しつつある。狭いながらも楽しいhome sweet home。ぷっ。


同じカテゴリー(日常)の記事
2011年5月
2011年5月(2012-01-12 13:50)

いが餅の謎
いが餅の謎(2011-04-04 16:34)

Posted by いのうえちず。 at 16:43│Comments(2)日常
この記事へのコメント
どもどもお久しぶりです。

家庭限定的表現ってあるね。
私もあまり幼児語は使わなかったけど、未だにわざと使ってるのが
チュルチュル・ラーメンとジュージュー焼肉。
使い続けてる理由は、子供達が就職して日本に出張に行った時、
スーツ着た大人がお昼どきに
「じゃあ今日はチュルチュル・ラーメンでも食いに行くか!」と言って
周りにドン引きして欲しいから。笑

次男はね、「動詞+できない」がうまく言えない。
「取れない」が「取れできない」
「書けない」が「書けできない」
になっちゃう。
あと「知ってた?」が「知っててた?」と「て」がダブル。
これは直してるけど全然直らない。

洗濯室が言えなくて洗濯くつ。
さ行は言いづらいらしい。
次男が小さい頃に勘違いで言った
「今日はフロギー(froggy)だね」(今日はカエルっぽいね。foggyの間違え)
以来うちでは霧の日はfroggy。
Posted by うえ子 at 2011年01月20日 05:22
おー、ごぶさた~♪
チュルチュルか~。麺類全般を指す幼児語ですなぁ。

「取れ・できない」は、日本語にcan+動詞って発想が混じってるバイリンならではの表現じゃない?
でもビミョーに日本語も活用(取るの原形じゃなくて、取れになってる)されてるところがカワイイ。

froggy!(笑)
うちはカエルがたくさんあるので、
常にfroggyです。別の意味で。あ、いや、本来か。
Posted by ちず at 2011年01月20日 10:26
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。