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文筆家もしくは、がちまやバカライター。座右の銘「愛と誠と肝心(ちむぐくる)」を小脇に抱え、人生街道をフルスロットルで驀進中。
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2007年03月05日

子育てのオマケ

昨日は、東京都の管楽器演奏会があり、長女のオーケストラ部も出ていました。
都内のいろんな小学校の、管楽器クラブが出るんです。


曲は組曲「惑星」の「木星」ざます。
長女の担当はパーカッションでございますから、
まー忙しそうでした。
見ている親のほうがドキドキです。
「ああっ。またチューニングしてる!間に合うのか?」
本人はいたってクール。
この手の演奏会では、
ホールのロビーなどに「●●小学校」と書かれた紙が貼ってあり、
楽器はそこへ置くようになっています。
ものすごい人数の小学生と楽器が出入りするので、
まー煩雑っちゃ煩雑ですわ。

で、演奏が終わった後の自分の子にくっついて、
私も一緒に移動してました。
(別に義務づけられたわけではなく、たまたま小さい上履きを履いて来てしまって、
足が痛いという長女に、大きいサイズの上履きを持って行ったりしたので)
オーケストラ部を指導しているのは、学校の音楽の先生です。
ビシッと厳しい先生なのですが、昨日もなかなかのものでした。

ホールの入口に、
演奏を終えてリラックスした小学生何十人の団体を、
整列させて黙らせるという状況。

「はい、整列!みんな緊張感が足りないよ。
こういうところで、リラックスしていいのは、舞台の上だけ!」

これで先生が何を意味しているか理解するこどもたち。
列は整い、私語が消える。

演奏会やコンクールなどの現場に来たら、
演奏する前はもちろん、演奏後も、たるんではいけませんと。
緊張感をもち、テキパキ動きなさいと。
そして舞台の上では、リラックスして、いつもどおりにやりなさいと。

おお、先生やるなあ。
ただのマッドコンダクターじゃないな。





もうひとつ、感動したことがありました。
うちの学校の前に演奏した、他の小学校のアフリカンシンフォニー。
この曲は、イントロのド頭、パーカッションからスタートします。
フロアタムだったり、ティンパニーだったりが、あるリズムを刻んで、曲が始まるわけ。
その小学校は、パーカッションが6名おり、ティンパニー、大太鼓、
ボンゴなどもあって、なかなかの迫力でした。

びっくりしたのは、その曲の解釈です。
うちの学校では、アフリカンシンフォニーはレパートリーの一つではあるけど、
どっちかというと、本気モードではやらない曲。
管弦楽団だから、吹奏楽向けの曲はコンクールや発表会などでやらないんです。
だからっつうのでもないけど、まーハッキリいって、
流して演奏してる感じがあります。もちろん一定のレベルではあるけど、入魂してない。

その学校では、遅めのテンポ、タメ気味のリズムで、
クレッシェンドを実に効果的に使う。
これがまさに、アフリカの大地をイメージさせるんですねー。
わきあがるリズム、そこへパーンと入ってくるテーマ。
少しテンポを遅くすることで、こうも雰囲気が変わるものか…!
と、指揮をしている先生の後姿を見ながら、感動しました。

演奏のレベルとしては、そんなに高くはなかったんですけどね。
多分、うちのオーケストラ部とは練習量が違うだろうなという印象。
そりゃもう、うちの「木星」のほうが、はるかに良かったですよ。
あんだけ練習してれば、当たり前だと思いますが。




その前夜は、学童の謝恩会でした。
児童館の館長先生や、学童の先生たちと一緒に呑みます。
子連れで二次会にも行ったりします。
(私は翌朝がこの演奏会のために早かったので、一次会だけで帰ったけど)
小学校の先生と飲む機会はありませんが、
学童の先生たちとは、キャンプや、謝恩会や、運動会の打ち上げなんかで、
ヒジョーにざっくばらんに、いろんな話ができる。
これがまた学童の面白いところでもあります。
指導員の先生がたは、いろんな親子を見てきてますからね、
親とは違った立場から、こどもたち1人ひとりの成長を見守って、
こどもが育つ過程によりそってくれます。
親のほうからしても、学童の先生がたから学ぶことがいっぱいあるわけです。

今年度から新しく赴任してこられた館長先生は、卒所式からずうっとニコニコでした。
「1年生から3年生までって、一番面白い時期なのよ。
どんどん変わるでしょう?一番成長する時なの。
だから、それを見守る学童って、いいのよね~。とっても楽しいんですよ」
学童の指導員を長くやってきたと語る館長先生は、
なんだか観音さまのような、菩薩さまのような慈愛オーラが満ち満ちていました。

「学童は、親どうしのつながりも強いでしょう?
これは、お母さんたちにとって、財産になるのよ。
私も、いまだに、自分の子が学童だったときのお母さんたちと呑みますもん」
うむ。確かに。
ゼロ歳児からのママ友なんか、もう10年のつきあいになります。
きっとこどもたちが大きくなってからも、友達だろうなって思う人が、何人もいる。

ちなみに今年の卒所式の出し物は、スライドショー。
パワーポイント&プロジェクターを使って、親が子供だったときの写真を写します。
「さて、これは誰の親でしょうか?」とクイズ形式で進めていくわけですが、
これが結構盛り上がるんですねー。
まるでDNAのスタンプを押したみたいに、親子がソックリ!な場合もあれば、
へーえ、うまいこと両親の形状がブレンドされてるのね、みたいな親子もいる。
また、親の写真がカラーだったりモノクロだったりするのも、
時代が反映されてて面白い。「健康優良児」なんて死語が飛び出したり。
某建築家夫婦が、スライドショーを作るという大変な作業をやってくれて、
本番は私の軽快なトークでお届けしました。

…ちなみに、去年、私はひげダンスをやりました。
「うちの学年は芸人がいるから」と、某建築家。
そうそう。何でも芸の肥やしにするのよ、あたしゃ。


そんなこんなの週末でした。
小学校の先生、学童の指導員、児童館の職員と、立場は違っても、
こどもに関わる仕事って、毎日毎日いろんな発見や学習があって、
面白いだろうなーと、改めて思いました。
親は、わが子を愛する気持ちでは一番かもしれないけど、
うっかりしてると、多角的に見ることができない場合があります。
親だからっていうだけで、こどもを幸せにしてやれるとも限らない。
こどもの活動を通して、あるいは自分のこどもに関わる人の話から、
自分が学ぶこともいっぱいある。

そういうオマケがあるのも、こどもがいる生活の楽しさなんだよなー。
こどもの活動に関わらない親は、そこんとこ損してると思う。
学童の役員に、PTAの役員、学校行事、学童の行事、
いろいろあるけど、「負担だ」「タイヘンだ」と言ってばかりでもね。
まして、役員や幹事役をやる人に対して「目立ちたがり」
「でしゃばり」「そういうことが好きなのね」などと言って、
足をひっぱるなんてロクでもないです。


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Posted by いのうえちず。 at 06:53 │日常
この記事へのコメント
お。燃えるよね>学校対抗発表会

私も小学校ブラバンのとき、その待ち合いロビーみたいなとこでさ、マイ・アルトサックスを他の学校の子に間違えられちゃってちょ〜慌てた。
未だに夢に見るもの(^_^;)

「木星」とはまた、パーカッションが大変な曲だね。
でもかっこいいので小学生がはまりやすくて良いのだ。
「TBS子供音楽コンクール」とかは出ないの?
Posted by nano  at 2007年03月05日 16:27
ほほほ。まさにそのTBSのコンクールで、
東日本大会優秀賞をいただきましたのよん。
いやー、ほんま世話役の人は大変やと思います。
Posted by ちず。 at 2007年03月05日 18:39
私は働いていないけど、障害のある子どもの「共同保育」みたいな活動に何年も混ぜてもらっていて、そういう場で、自分には見えていない子どもの一面を他人から教えてもらえるとき、
「ギクッ」とはするものの、ありがたいな~、こんなこと言ってくれる人、どれだけいるだろうって思います。

大抵の人は腹の中で色々思っていても、
「ま、しょせん他人のことだしっ」
って教えてくれないからね。

それにしても、ちずさんたちのようなワーキングウーマンが役員をやるのは、本当にスーパー大変だと思います。
すごいよ~。
Posted by ルーファス at 2007年03月05日 23:14
状況から学んだり、発見したりすることもあれば、
文字通り教わることもある。
異年齢集団の中で自分たち親子をふり返るという経験は、
本当に貴重なもんだと思うよ。

うちの学童には、本当のスーパー母ちゃんがいる。
障がいのある子を抱えて、かつ働き、
学童の役員までやってる。
すげーって思うわ。
Posted by ちず。 at 2007年03月05日 23:55
お、今日は「続き」も「コメント」も見られた。
木星もアフリカンシンフォニーも懐かしいわ〜。

ももちゃんもぷーちゃんも、いい環境にいられてよかったねえ。
「いい大人」が近くにいっぱいいてさ。
団体の世話役って、ほんと、大変だと思うわ。補習校なんかも、難しいよ。
はっきり言って、子どもの日本語のレベルもいろいろだし、その前に「国語」に対する親の考え方や、現地校とのバランスなんかも全然違う…。
それを、いちいち自分の都合ばかり主張されるとゲンナリ。だけど、その人にも「へえ〜、そういう考え方もあるのね。」と気づかされたり。
そんなことの繰り返しですわ。
Posted by at 2007年03月08日 18:27
ただいま、子供会資料と広報の紙面作ってるよ。

毒舌Oさんが、takoさんちのビーパーに参加したときに、「こういういろんなわかわかんないおっちゃんたちにぐりぐりかわいがってもらって、もまれるのはすごく大事」って言ってたけど、今思春期入るとほんとにnaruピーとかtakoさんやとむくんとか、自然教室のスタッフとか、そういういろんな大人と接したり、影響を受けたり、時には「くそばばあ」と私の悪口を吐き出したりするところがあるってほんとにありがたい。
Posted by さとちゃん at 2007年03月08日 23:01
>麻ちゃん
補習校かぁ。
ミョーな方向でいびつに欧米化している保護者がいそうで、
役員やるのはかなりいやん。

>さとちゃん
わしもね、親と学校の先生以外のオトナがいるって、
すごく大きいと思うのよ。
ヨコつながり感覚でつきあえるオトナの存在ね。
親とか先生は、上下じゃん?
プラス同学年の気が合うお友達しかいない環境って、
考え方やらキャパシティを狭くすると思う。
Posted by ちず。 at 2007年03月08日 23:37